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宝塚てくてく

川ものがたり vol.3 塩谷川

宝塚温泉 源泉の谷

岩倉山を源とし東へ流れ宝来橋で武庫川に注ぐ。強塩分の温泉の谷で塩谷川と名付けられた。近くには塩尾寺や塩の尾と呼ぶ尾根があり塩との縁は深い。谷沿いの道は東六甲ハイクのメインコース。
宝塚駅から武庫川に架かる宝来橋を渡る。橋上から三面張りコンクリートの塩谷川河口が見える。
階段のような河口付近
階段のような河口付近
橋詰めに明治20年(1887)に開湯した宝塚温泉の入湯場があった。ここが源泉で現在のホテル若水の位置である。入湯場はここ一軒しかなく近くの旅館に宿泊した人びともここで入湯した。

地中から涌き出る湯は昔から薬湯として病や傷を治す霊泉で神や仏の信仰につながり伝説や民話を生んだ。-伊矛志の里に住む老女が悪瘡にかかり観音さまに祈ったところ 「大柳の下を掘れば塩水が湧くのであたため体を洗うとよい」とお告げがあったー。

大柳のあったところは前述の源泉のところで、近くにある柳橋(塩谷川)の名称もここからきているのだろう。

西の塩尾寺の道へ入る。道端に石標が2本立ち「六甲山塩尾寺十五丁 大阪観栄講」などと彫られている。新しい民家のなか、ステンドグラスのある家や洋館風に造作されたものもあり懐古気分になる。
コンクリートの川底にはたくさんのクレソン
コンクリートの川底にはたくさんのクレソン
左からの道が交差するところに塩尾寺の十一面観世音の祠があり、そこは逆瀬川方面からの交点で、さきの道標といい、塩尾寺は信者を集めてた。

月見橋で左岸にうつる。対岸は武庫山が急崖をなし木々の茂りのなかマユミが一本、ピンクの実をつけている。
急崖がゆるんだところに大きなタンクが2基あらわれる。宝塚温泉の源泉で38度強、強塩分、炭酸、鉄分を含む。ナチュールスパ、ホテル若水などに送湯、鉄分は除去されたりしている。
この温泉タンクから宝塚温泉へ
この温泉タンクから宝塚温泉へ
道がつきあたれば紅葉谷橋。配水池があるが平面なので地下に埋まっているのか見えない。それに神戸水道の施設(千刈水源地からの送水管が埋設)が目にとまる。

塩尾寺への道と分かれるとすぐ先に寺院の墓地らしいのを見る。僧正の字が見られ高貴な寺院があったのだろうか。

谷沿いの民家が途切れ、山あいに入るという感じになり三面張りコンクリートは消えヤブのなかの小流となる。
道は谷を離れ光ガ丘へ登ってゆくが流れは山ふところへ入ってゆく。石積みの古い堰堤が続いてあり、次のコンクリート造りの3基とで、がっちり土石流を防御している。しかもワイヤーセンサーが設けられ何とも心強い。

もう流れはないが谷は山ふところ深く入りこみ岩倉山東斜面へとせり上がってゆく。
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