地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、宝塚の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

宝塚の地域情報サイト「まいぷれ」

宝塚てくてく

川ものがたり vol.2 僧川

九十九折れなるぼうさん川

僧川は「ぼうさんがわ」と言う。(郷土誌「山あいの村に育つ」より)
切畑交差点から武田尾まで、約4㎞を深い樹林帯の中を、遠慮がちに姿を見せず曲がりくねって武庫川に注ぎ込む。
二つの疑問。
一つは「ぼうさんがわ」という愉快な名前の由来であり、もう一つは、この川の源流は一体、何処か?と言うことである。
県道33号線出合橋付近
県道33号線出合橋付近
間違い易い川に、長尾山から生瀬橋へ流れる惣川がある。
音読みすれば、どちらも「そうかわ」だから、それを区別するために僧川を解り易く「ぼうさんがわ」と呼ぶようになったとの説もある。
昔、切畑は広く長尾連山は元より中山も含まれていた。
旅人や僧侶たちは中山奥の院から渋谷(切畑)を経て僧川に沿って歩いた。
渋谷の一軒家には奥の院ゆかりの墓所の石垣があったと言う。
多くの僧侶が起居していたところから「ぼうさんがわ」の名がついたのかもしれない。
切畑武田尾線を南西へ下ると川の中ごろに、古い小さな橋があり川は左手から橋の下を通って右手に流れを変える。
たもとの柱に「坊川」「三滝橋」と記された文字が読みとれる。
僧川は、坊川とも呼ばれたのか?いずれにしても「ぼうさん」には違いない。
赤い鳥居の大岩稲荷
赤い鳥居の大岩稲荷
『僧川九十九折りなる木下闇』この川は幾重にも曲がりくねっている。
緑陰の濃い木々に覆われた山肌が絶えず迫ってきている。
終わり近くに、赤みを帯びた木製の橋が頑丈な鉄骨に支えられている。
春には桜を秋には紅葉を求めて、多くの人たちがこの橋を渡り、桜の園へやって来る。
川は、この橋の下をくぐり武庫川に合流する。
勢いよく流れる僧川
勢いよく流れる僧川
ところで、この川の源流は何処?
切畑交差点付近は、生い茂ったマメ科植物にさえぎられて水音が微かに聞き取れるが姿は見えない。
訪ねたどるべき小道もない。
おおよその見当をつけるならば、源流となる場所は三ヵ所。
一つは大峰山、検見山の西北の山麓に貯えられた地下水、二つは、古宝山の南東の谷間から湧き出してくる水、三つは、玉瀬方面から出合い橋へ流れ来る川の源と、なるのではなかろうか?
道路や橋は古びているが川は生きている。
流域の栗園を潤しながら、切畑渓流取水口では、宝塚市上水道へ給水を続けている。
気懸かりな事がある。
計画中の第二名神がどこを通るのか、どこにインターチェンジが出来るのか、僧川は心配している。
宝塚てくてく宝塚てくてく』さんから提供いただいているコンテンツです。

宝塚てくてく』は毎月第2水曜日発行のフリーペーパーで
発行部数8万部。
宝塚市内全域+西宮塩瀬+川西の一部地域に新聞折り込みされています。