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たからじぇんぬの作り方

宝塚歌劇団、全国ツアーの舞台裏

タカラジェンヌの第八歩

さて、色んなところで公演をしている宝塚歌劇団。
その中のひとつ、全国ツアーとはいったいどんな感じなのでしょうか。

毎回違う劇場、ということは・・・

全国各地の市民会館や文化ホールなどで行われる全国ツアー。
基本的には組の主演率いる2~30人で回ります。

楽屋、袖、舞台や客席の広さ・・・全く同じホールは存在しません。
どんな状況にも対応できるように大道具をコンパクトに造り替え、音響は生オケではなく録音になります。

そして一人分づつ、化粧道具は専用の箱に、衣装は『ボテ』と呼ばれる長方形の箱に詰め込まれ
どこかに置かれています。

どこかに置かれているのです。

そう・・・全国ツアーは、まず探すことから始まります(笑)

楽屋はどこだ~!
衣装はどこだ~!
マイクはどこだ~!

着いて早々、全員確認して回ります。
毎回違う劇場、ということは、毎回条件が違うのです。
楽屋がかなり遠かったり、ホリゾント(舞台裏の専用通路)が無かったりすることもあります。
そうなったら公演中の動きも変えないといけない、なかなか大変です。

衣装の準備、楽屋の準備、早替わりの準備・・・毎回が初日です。

若いもんほど頑張ります!

出発前、生徒は自分の全ての出番が『上手(客席側から見て右)』と『下手(左)』どっちから出ることが多いか考えます。
そして多いほうにボテを置いてもらうよう申請します。
”だいたい上手だけどひとつだけ下手で早替わり”とかいう場合、
その衣装のみ同期もしくは近い学年の人の場所に置かせてもらいます。

ボテの置かれる場所は近いほうから上級生。
上手と下手、均等に程よい広さにボテが置かれているといいのですが・・・
そんなケース、なかなかありません。
下手が狭くて並べていったら殆ど上手ってこともままあります。

そんなときは下級生、常に全力疾走です(笑)

帰りも帰りで猛ダッシュ!

さて、終演後・・・
大劇場なら終演後2時間くらいまでならゆっくりすることができます。
が、全国ツアーだとそうはいきません。
終演10分で全員楽屋を出ます。
なので出番が終わったものから即しまっていきます。
どんどんどんどんしまっていきます・・・毎回が千秋楽です。
パレードの頃にはボテの前には帰りの私服しかありません。
そして幕が閉まった瞬間!
全員全力疾走です!
片付けながら化粧を落とし私服に着替え、10分後にはバスの中にいます。
全国ツアーを経験すると、皆手際が良くなり動きが機敏になって帰ってきます(笑)

大変、だけど楽しい全国ツアー

花のみち
花のみち
このように全国ツアー、大変ではありますが・・・
全国各地の美味しい物が食べられたり観光ができたりと、楽しいことも結構あります。
何よりも、大劇場まではお越し戴頂けない地方の方々に観ていただけるのは嬉しいです。
楽しそうに熱心に観劇してくださっているのを舞台上から見ると・・・とてもやりがいを感じます。
とっても大変、だけどとっても楽しい、全国ツアーなのでした。

以上、第八歩でした!
右京右京
元宝塚歌劇団宙組 貴羽右京

1995年『国境のない地図』で初舞台、同年花組に配属
1998年 宙組発足と同時に宙組へ組替え
2007年『維新回天竜馬伝』『ザ・クラッシック』で退団

その後・・・激動の1年を過ごし(笑)流れ流れてライターやってます。

ブログもぼちぼち・・・「右印良品」