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男と女の「おかしな!?」ハナシ

どっちを選ぶ?制服のスカートとスラックス

キーワードは「多様性」「選択の自由」

あなたの身の回りにも時々起こる、
「これってどうなの?」
「おかしくない?」という話。
このコーナーでは、毎回、
「男と女のちょっとおかしな!?ハナシ」を、つぶやいてもらいます。

新バージョンの記事

どっちを選ぶ?制服のスカートとスラックス

高校1年生の日奈子さんは
中学時代の友達と学校帰りに集まって、
制服について話しています。
愛: みんな久しぶり! あれっ日奈子その制服どうしたの?

日奈子: うちの学校は今年から、上はブレザーだけど下はスカートとスラックスのどちらを選んでもいいことになったから、私はスラックスを選んだんだ。
 学年にはスラックスを選んだ子は何人かいるんだけど、クラスでは一人だけだったけどね。       

愛: なるほどね~。日奈子すごく似合ってる。
 私は一人だけスラックスを選ぶ勇気はちょっとないけど、それも含めて日奈子カッコイイわぁ。

里沙: 一人だけにならないよう「女子は全員スカートとスラックスを1枚ずつ買う」ことになっていればいいのにね。
 あ、でもそれだと男子も両方買わないといけなくなっちゃう。
 さすがに男子にスカートはあり得ないよね~。
愛: そういえば最近よく聞く、えっと確かLGBTっていうんだっけ?
 見た目と性別が一致しないっていう人。
 その制服の話、そんなことも関係あるのかもしれないね。

日奈子: それもあるかもね。でも単純に私はスラックスがいいな。
 自転車通学の子なんてスピードを出すと、スカートがピラピラして下にはいているスパッツが丸見えだし、冬にスカートだとスースーして寒いし、なんといってもスラックスは動きやすいもん。

里沙: そう言われたら、その通りなんだけど、でもなぁ・・・。
◆里沙のつぶやき・・・
やっぱり、女子高生っていえばスカートでしょう。
そのほうが絶対カワイイし、私はスラックスなんてあり得ない。
どうしてもスカートを受け付けないっていう女子もいるかもしれないけれど、だからといってスラックスをはくと、逆に目立ってしまうんじゃないかと思うけどなぁ。

◆愛のつぶやき・・・
お母さんが制服採寸の日に「一着何万円もする服なんて私だって持ってない」って驚いていたけれど、制服って、動きにくいし高いし誰のためにあるんだろう。
里沙が言うみたいにスカートとパンツの両方は無理だけど「上は白、下は黒」くらいの自由服にしてくれたら、みんながいろんな面で楽になる気がする。

◆日奈子のつぶやき・・・
愛や里沙と話していて気付いたけれど、どうして「女子の制服はスカート」って決まっていたんだろう?
女子だって、私服では普通にジーンズとかをはくし、働いている女性にはパンツスーツの人もたくさんいる。
機能性とか着心地とかを考えたら、女子だけ制服をスカートにする理由が全くわからない。
そもそもスカートって女性だけがはくっていうもの当たり前だと思ってきたけれど、それもおかしいなって思えてきちゃった。
ミニ知識 

すでに2015年に、文部科学省は「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知を出しているが、今春から東京都世田谷区や中野区では全区立中で男女関係なくズボンとスカートを選べるようになるなど、制服におけるLGBTへの配慮は全国的に広がりつつある。
各制服メーカーも、男女別のないジェンダーレス制服やボーダレス制服など、多様性に対応するべく様々な取り組みを展開している。

※ちなみに兵庫県の伊丹市立伊丹高等学校のHPには以下のように書かれています。
◆創立100周年を機に新しい制服へと移行しました◆ 
スカイブルーのシャツ、白シャツから自分で選んで着用することができます。
女子はリボンとネクタイを自由に選択して着用することができます。
また、スカートとスラックスを自由に選択して着用することができます。
夏服は男女共に半袖ポロシャツです。

横からちょっと言わせて

弁護士で、不惑を越えてからの子育てに奮闘中の中村衣里さん
弁護士で、不惑を越えてからの子育てに奮闘中の中村衣里さん
最近のニュース等でも、女子生徒の制服に「スラックス」が選択肢として加わりつつあることがよく聴かれるようになりました。
防寒の視点から、また最近ではLGBT若しくはSOGIと言われる概念が広まったこともあり、全国的にもこの「選択(肢)」が着実に認められつつあります。
思えば、私自身も、中学生になるとき、初めて着る真新しい制服に胸躍らせました。(今でも母校の制服姿の生徒さんを見ると、懐かしく嬉しい気持ちになります)
しかしながら、一点には、大変高額な制服を生徒誰もが用意をしなければならないということ、また一点には、制服に胸躍らせる友人たちの隣で、毎日毎朝、その同じ制服を着用することに苦痛を感じていた生徒がいたであろうこと。
これらのことに、当時の私は思いを致すことができていませんでした。
そもそも、どうして皆が同じ制服を着る必要があるのでしょうか。
一目見て所属(学校)が分かるように?愛校心を高めるため?必要以上に華美にならないように?・・しかしそれが、ある意味、「個性」を殺し、己を知り、オリジナリティを育てる芽を摘んでしまっているのかもしれません。
(最近は、制服を自分なりにアレンジして、「個性を発揮」する時代にもなっているとも聞きますが)
我が国では、制服について例外なくその着用を求める中学や高校が多いわけですが、これは、何事においても(たとえば、婚姻時の氏の問題もしかり)、「選択の自由」が保障されていないこの国の姿を示す典型例と言えるのかもしれません。
また、女子生徒にはスカートを、男子生徒にはスラックスをと定め、戸籍上の性に基づいてその購入、着用を強要されています。
スカートは、女性らしさの象徴であり、女子生徒がスラックスを着用するという発想は、制服を定める側の学校長や教育委員会はもちろんのこと、着用する女子生徒自身にもあまりなかったように思います。
つまりここでも、女性らしさという社会的につくられたジェンダーに、大人(決定機関にあるのは多くの場合男性)だけでなく、女性自身も縛られていたといえるでしょう。
なお、他国に目を移せば、スコットランドの伝統的な衣装であるキルトは、男性たちにより誇りをもって着用されています。
「さすがに男子にスカートはあり得ないよね~」という発言も、女性自身のジェンダーに基づく思い込みによるものといえるのかもしれません。
こうした「制服」自体の問題、そしてその内容(女はスカート、男はスラックス)の問題に大きな風穴をあけたのは、まさに性的指向および性自認(SOGI)の社会的な認知、理解の高まり、そして実際に行動に移し始めた人々の力によるものだったと言えるでしょう。
こうした認知や理解の高まりや具体的な行動は、この制服問題だけではなく、これまであまり認識されてこなかった社会にある諸問題にまで、徐々に同様の変化をもたらしています。
SOGIへの気づき、それに基づく人々の行動が、少しずつ社会の多様性を後押しし始めている時代にあって、私たち自身も、既存の概念にとらわれることなく、変化に対応できる柔軟性を持ちあわせたいものです。
その際のキーワードは、「多様性」であり、「選択の自由」と言えるでしょう。
最後に、私の子どもが通う保育所では、普段、男女不問で「ズボン」の着用が求められています。(スカートは不可)
まさに「機能性」に着目すれば、スカートではなく、スラックス(ズボン)のほうが優るのでしょうね・・。
原稿担当 : NPO法人 あなたらしくをサポート(愛称:らしーく)
イラスト : 林やよい

※このイラストを利用されたい場合は「NPO法人あなたらしくをサポート」nporasiku@gmail.com までご連絡ください。

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